神泉苑は庭の名前だけれど寺院なの?大晦日の方違えって?

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神泉苑は庭の名前だけれど寺院なの?大晦日の方違えって?

京都は町の中心地でも歴史ある寺社仏閣や庭園を楽しめます。

御池にある神泉苑もそのひとつです。

でも名称だけ見ると庭園なのか神社なのか分かりにくいですよね。

この記事では神泉苑の歴史や伝説、方違えなどの行事についてくわしくご紹介します。

「気にはなっていたけれどいつも後回しでなかなか訪れる機会がない」という方はぜひご覧下さい。

神泉苑は庭?寺?その歴史を見るとよく分かる

神泉苑(しんせんえん)は東寺真言宗のお寺でご本尊は聖観音です。

しかしかつては天皇のための庭「禁苑」でした。

そのためお寺であり庭とも言えるパワースポットです。

天皇のために作られたお庭なので、池を中心にかなり広大な敷地を誇っていましたが、徳川家康によって規模を縮小され現在に至ります。

一帯を示す地名「御池通」の語源になったともいわれており、当時の広さの程が偲ばれます。

当時はこの神泉苑で天皇が主催する花見や観月会などが行われ、平安京の一大社交場として使用されていました。

さらに雨乞いの儀式や疫病を祓うための御霊会など、さまざまな神事も執り行われました。

祇園祭の発祥の地としても知られています。

現在でも祇園祭をはじめ星祭り(節分)、観月会、神泉苑大念仏狂言などさまざまな行事が執り行われています。

またかつての貴族たちと同じように桜の季節や紅葉の季節には四季の美しさを体感できます。

春と秋にはッライトアップされるとともに夜間拝観も行われ、昼間とはまた異なった神泉苑の魅力を知ることができます。

神泉苑では大晦日に方違えが行われる

神泉苑では毎年12月31日の夜に「方違え」を行う日本で唯一の寺社仏閣です。

方違えとは陰陽道に基づく風習の1つで、仕事や遊びなどなにか出かける用事がある際に方位の吉凶を占い、方角が悪いと別の場所にでかけたり泊まったりしてその方角を避けることを指します。

神泉苑で行われる方違えは、祠の向きを次の年の恵方へと変える大がかりなものです。

向きを変えるのは歳徳神(としとくじん)をお祀りする境内社の「恵方社」です。

方違えは例年22:30頃に行われます。

いつ参拝に出かけても恵方に向かっているというなんともおめでたいお社です。

こちらでは「歳徳神御札」初穂料1000円を1年を通して授与して頂けます。

源義経と静御前が出会った場所という伝説が

牛若丸こと源義経が白拍子である静御前を見初めたのがこの神泉苑だといわれています。

白河上皇が主催する雨乞いの儀式で、100人の白拍子に舞いを奉納させます。

しかし99人が舞っても雨が降りません。

そして誰もが諦めかけた100人目の白拍子こそ静御前でした。

静御前が舞うと大雨が降り、喜んだ白河上皇は静御前に「日本一」の称号を与えます。

そしてこの舞いを目にした源義経は静御前と恋に落ちたといわれます。

そのため神泉苑は縁結びのパワースポットとしても人気を集めています。

現在でも静御前の舞いが5月に奉納されています。

善女龍王伝説

本堂の向かう側、神泉苑のシンボルともいえる朱塗りの橋「法成橋」があります。

願い事を心の中で念じながらこの橋を渡ると叶えてもらえるという伝説があります。

なぜこのような伝説が生まれたのかというと、じつは弘法大師(空海)と神泉苑のつながりが関係してきます。

824年、全く雨が降らず人民が困窮したため神泉苑で雨乞いの祈祷が行われました。

この祈祷は東西の名祈祷師の対決という形で行われます。

東代表が弘法大師、西代表が守敏です。

守敏だけは雨を降らせることに成功しますが、飢えを満たすためには十分な量ではありません。

不思議に思った弘法大師が調べてみると、ライバルによってことごとく龍神が封印されていたのです。

そこで空海はこのとき唯一封じ込められていなかった龍神を天竺(インド)から勧請し、3日3晩雨を降らせることに成功します。

このとき弘法大師が勧請した龍神こそ、善女龍王なのです。

善女龍神は勧請された後そのまま神泉苑の池に棲みついたため、専用のお社が建てられました。

この伝説から、「願い事を叶えてくれる神さまがいる池の橋を渡ると縁が結ばれるために願いが叶う」といわれるようになりました。

橋を渡る際には「善女龍王守り」初穂料500円を手にし、中島にある善女龍神社に参拝するとさらに願いが叶う確率がアップするんだとか。

授与所を覗いた後に渡っておきましょう。

御朱印の種類や値段について

神泉苑の御朱印は10種類ほどあります。

「善女竜王殿」「平安京延暦聖跡」「聖観音菩薩」「不動明王」「桓武天皇」「弘法大師」「恵方社」「観月会」「静御前」「義経公」です。

過去には「嵯峨天皇」の御朱印もありました。

どれも寺紋とともにそれぞれを象徴する切り絵風のデザインとなる朱印が入っており、神泉苑を象徴するものばかりです。

いずれも初穂料300円です。

全部揃えるとなるとかなりの出費ですが、いつまで頒布かも分かりませんので目にしたら頂いておきたいところです。

神泉苑オリジナルデザインの御朱印帳は金字で描かれた法成橋と龍神の姿、そして寺名がレイアウトされたもので紺色と緋色の2色があります。

初穂料はそれぞれ1200円です。

アクセス方法

神泉苑に参拝者用の駐車場はありません。

しかしすぐ目の前に二条城があるため、二条城向けの駐車場を利用することができます。

ただし二条城・神泉苑ともに桜と紅葉の名所ですので、季節によっては満車でとめられなくなります。

時期に注意が必要です。

公共交通機関を利用する場合、市バスだと「神泉苑前」下車すぐ目の前です。

「堀川御池」下車だと徒歩で約5分かかります。

電車の場合、地下鉄東西線「二条城前駅」下車で徒歩2分です。

阪急電車「四条大宮駅」下車だと徒歩で約10分です。

まとめ

神泉苑の歴史や見どころについてご紹介しました。

神泉苑は現在はお寺ですが、敷地内には神社もありかつては天皇のための庭だったこともあり池を中心とした庭園が広がっています。

厄除けや金運アップといったご利益の他、願い事を1つ叶えてくれる法成橋もあります。

近くを通りかかったらぜひご参拝下さい。

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