十輪寺が業平寺と呼ばれる理由は何?御朱印などもご紹介
京都市中心地よりやや離れた位置にある十輪寺は別名「業平寺」(なりひら寺)とも呼ばれるお寺です。
在原業平といえば日本史上でも屈指のプレイボーイとして知られていますが、なぜお寺にそんな名称がついたのでしょうか。
この記事では十輪寺の別名の由来や御朱印についてくわしくご紹介します。
参考にどうぞ。
十輪寺は別名「業平寺」なのはなぜ?
十輪寺(じゅうりんじ)は別名「業平寺」(なりひらでら)とも呼ばれる天台宗のお寺で、850年に創建されました。
山号は小塩山(おしおざん)です。
文徳天皇が后の安産を願って、延命地蔵を設置したのがそのはじまりと伝わっています。
その後、応仁の乱に巻き込まれて荒廃しますが、江戸時代に入ると藤原定好によって再興されます。
ご本尊は地蔵菩薩で、「腹帯菩薩」と呼ばれているように安産祈願のご利益を授かることができるといわれています。
なぜ別名「業平寺」と呼ばれているのかというと、在原業平が晩年この十輪寺で隠匿生活を営んだといわれているためです。
在原業平は平安時代の六歌仙のひとりで、伊勢物語の主人公のモデルとしても知られている人物です。
境内には「なりひら桜」や「在原業平の墓」など、在原業平にちなんだものがあちこちで見られます。
本堂の屋根の形が少々特殊ですが、これは天皇の使用する神輿の鳳輦(ほうれん)を模したものだからです。
拝観料は400円、拝観時間は9:00~17:00です。
十輪寺の見どころについて
十輪寺では毎年11月23日に「塩竃清祭」が、5月28日に「業平忌三弦法要」が行われます。
どちらも在原業平に関係する行事です。
「塩竃清祭」は平安時代に行われていた貴族の遊び「塩焼き」を隠居後の在原業平がこの地で好んで行ったとされる故事より毎年行われるようになった行事です。
塩焼きとは、海水を焚いてその風情を楽しむ遊びなんだとか。
現代人にはやや理解しがたい遊びですが、何年も続けられるほど夢中になる遊びだったようです。
十輪寺の境内にある塩がまの前で三弦とともに読経を捧げます。
参列者の中から数名希望者を募って、塩がまのお清めや火入れを体験することもできます。
参拝者がこのような行事に参加できるのは珍しいことですので、ぜひ勇気を出して参加をPRしてみて下さい。
「業平忌三弦法要」は在原業平の命日に営まれる法要で、朗詠や一弦琴などの奉納が行われます。
一般公開されていますが、拝観料が必要です。
その他にも十輪寺の境内には「不迷鐘」(まよわずのかね)と呼ばれる鐘があります。
ご本尊の前で祈った後に息を止め、そのまま一気に鐘まで移動すると心の中の迷いが全て吹き飛ぶといわれていますが、本堂からはそれなりの距離がありますので難易度は高そうです。
また人生相談も受け付けてもらえます。
御朱印
十輪寺の御朱印は一部で熱狂的なファンを多く持ちます。
というのもこちらの御朱印は行事ごとはもちろん、ほぼ月替わりの御朱印が登場するからです。
書き置きとは別に御朱印帳に頂ける御朱印も、見開きページを使用したカラフルな手書きです。
墨書きと朱印で構成される普通の御朱印を見慣れた人にとっては「これは御朱印?イラストではないのか?」と不思議に思う方も多いでしょう。
副住職さんによる完全手書きで、かなりの色数を使用しており量産はできません。
そのため各御朱印の頒布数は限られています。
注意が必要です。
基本的な御朱印は「延命殿」と「草分観世音」の2種類で、こちらはいつでも頂ける上墨書きに朱印が入る通常のものです。
そしてこれ以外に季節毎の御朱印や和歌が記された和紙製の御朱印が存在しています。
どんな御朱印を頒布予定なのかは、オフィシャルブログで逐一情報が上がりますので、参拝前にチェックしておくことをおすすめします。
十輪寺オリジナルデザインの御朱印帳も、次々と新デザインが登場しています。
御朱印帳にはあらかじめ見開きページの手書きの御朱印が入っていますので、せっかくなら御朱印帳を手に入れることをおすすめします。
アクセス方法
十輪寺は参拝者専用の駐車場が約15台分あります。
参拝者の利用は無料です。
紅葉が綺麗な場所ではありますが、他の有名観光地ほどは混雑しません。
また近接する観光スポットもあまりないため、車での参拝は比較的楽な場所にあるお寺といえます。
公共交通機関を利用する場合、阪急バスだと「小塩」下車、徒歩で約3分です。
まとめ
十輪寺についてその歴史や見どころ、御朱印をご紹介しました。
平安貴族で六歌仙の一人、在原業平が晩年を過ごしたお寺として知られています。
そして御朱印がとにかくカラフルで種類豊富なため、毎月通っているというファンもいるんだとか。
一度は実物を目にしておきたいお寺です。
御朱印は手書きのため、参拝の前に御朱印帳を預けておいた方がいいでしょう。
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