久米島・天后宮は別名「菩薩堂」!場所や歴史をご紹介
沖縄本島から西へ100㎞はなれた海に浮かぶ久米島は、島のまるごと全部が自然公園という人気のリゾート地です。
そんな久米島には、琉球と中国の交易の歴史を感じさせるパワースポットがあります。
この記事では天后宮についてその場所や歴史をくわしくご紹介します。
天后宮の歴史
天后宮(てんこうぐう)は1756年に創建されました。
「真謝の菩薩堂」(ぶさーどー)とも呼ばれていますが、それは琉球王朝の時代に清国(中国)から那覇に向かう使者の乗った船が難破した際に、島民が救助したことへのお礼として菩薩堂が贈られたことに由来します。
菩薩堂には清国から贈られた天妃像と二神将の仏像(千里眼・順風耳)が安置されていました。
建物自体が県指定の有形文化財となっていますが、その他の文化財は戦後の混乱期に失われてしまったそうです。
そのため現在ではお堂には天妃像のみが安置されています。
ところで琉球王国では当初、贈られた仏具一式を久米島以外の地域にお祀りしていました。
しかし怪奇現象が続き「間違った場所に鎮座している」ということに気がつき、なんとかこの久米島で起きた事件であることを突き止め、無事に現在地に安置することができたと伝わっています。
「ここじゃないよ」と仏像が教えてくれるたのでしょう。
天后宮は航海の安全を祈るためのパワースポット
そもそもなぜ天妃宮を「菩薩堂」と呼ぶのかというと、天妃は別名「媽祖菩薩」と呼ばれることもあるからです。
媽祖とは中国発祥の海の女神で、中国との交易が盛んだった横浜港などにお祀りするための廟がみられますよね。
本来は宋の時代に実在した役人の娘で、父親が海で遭難したために山に篭もり仙人となり、やがて神になったという伝説が残されています。
一部の地域では航海の無事を司る菩薩の化身であると信仰することもあり、媽祖といえば航海の安全を祈願する最も位の高い神とされています。
そのため媽祖(まそ)をお祀りする天后宮では、航海の安全のご利益を授かることができます。
海で難破し、命からがら助けられた人々にとって、加護を与えてくれた神さまと救ってくれた人々への感謝の気持ちを示すものとして天后宮がぴったりだったということですね。
アクセス方法
那覇空港から久米島空港までは飛行機で約30分です。
車で天后宮まで移動する場合、兼城港から天后宮まで約20分、久米島空港から天后宮までは約30分です。
まとめ
天后宮の場所や歴史についてご紹介しました。
海で遭難した異国の人々を手厚くもてなした島の人々への感謝の気持ちとして贈られたのが天后宮と天后像です。
航海の無事と旅の安全を祈願するには最適の場所です。
久米島を訪れた場合は、ぜひ足を向けて下さい。
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