持明院(福島区)の御朱印や「摂津八十八ヶ所霊場」の一つである由来とは?
大阪市内には寺社仏閣が多くあります。
様々な霊場もありますが、中でも摂津国八十八ヶ所霊場は比較的近いエリアに密集しているため巡拝しやすいと人気を集めています。
そんな摂津国八十八ヶ所霊場の1つが、福島区に鎮座する持明院です。
この記事ではそんな持明院の歴史や御朱印、なぜ摂津国八十八ヶ所霊場の1つなのかをご紹介します。
参拝の参考にどうぞ。
持明院の歴史
持明院(じみょういん)は東寺真言宗のお寺です。
山号は「摩尼山」で1915年に創建されました。
開山は宜観和尚です。ご本尊は弘法大師です。
そのため「福島のお大師さん」の通り名で呼ばれることもあります。
ご本尊の厄除け弘法大師像はお寺の創建よりも古い江戸時代の作です。
お寺の創建にあたり、河内のお寺に安置されていたものを遷座しました。
太平洋戦争の戦火で本堂は焼失したものの、ご本尊は奇跡的に難を逃れ、現在でも人々に厄除け祈願のご利益があると崇拝されています。
境内には川魚一切供養碑が建立されており、春や秋の彼岸会結願日に供養が行われています。
川魚を商売として取り扱う人々の参拝が絶えないお寺でもあります。
また四国八十八所霊場の石仏も安置されており、四国霊場巡りになかなか行けないという場合でも、この持明院に参拝する事でご利益を授けて頂けます。
ただし戦火に巻き込まれた際にこれらの石仏も被害を受けており、数が減少してしまいました。
持明院の御朱印
持明院の御朱印は1種類です。
墨書きは「弘法大師」(摂津国八十八箇所第五番)です。
初穂料は300円です。
御朱印は寺務所で頂くことができますが、自宅も兼ねていますので極端に朝早い時間帯や深夜にはインターフォンを押さないようにしましょう。
9:00~17:00の間でお願いするとベストです。
持明院オリジナルデザインの御朱印帳は現在のところありません。
ただし摂津国八十八所巡礼のための専用御朱印帳があります。
納経帳の初穂料は2500円です。
頒布場所が限定されており、大阪地区では四天王寺、太融寺、正圓寺の三ケ所で手に入れることができます。
また専用の御朱印帳で全ての摂津国八十八ヶ所霊場を巡ると、「満願之証」を頂けます。
持明院はなぜ摂津八十八ヶ所霊場のひとつなの?
摂津八十八ヶ所霊場の歴史は古く、江戸時代中期頃に月海上人によって選定されました。
摂津とは古代の行政区分の1つで、現在の大阪市・大阪府北部・兵庫県にまたがる地域を指します。
古来より盛んだった四国八十八所霊場巡りを参考に創設されたといいます。
熱心な弘法大師信仰により、江戸時代には大流行しました。
しかし明治期に入ると廃仏毀釈の嵐に巻き込まれ、霊場のいくつかが失われます。
また戦火の広がりなどもあり、荒廃を極めることとなります。
しかし宗教関係者や信徒の熱意により、1980年に再興されました。
持明院は現在の摂津国八十八所巡礼が整備された際に選定されたお寺です。
弘法大師に縁のある古刹がそろった摂津国八十八箇所の中では最も新しく加わったお寺になります。
なぜ選定されたのかというと、ご本尊が河内国から招致された江戸時代のものだからです。
アクセス方法
持明院に参拝者用の駐車場はありません。
車で参拝する場合は、近くの有料駐車場を利用しましょう。
公共交通機関を利用する場合、JR環状線「福島駅」下車、徒歩で約6分です。
阪神だと「福島駅」下車、徒歩で約10分です。
まとめ
大阪市福島区に鎮座する持明院についてご紹介しました。
比較的新しい創建の寺院ですが、ご本尊の厄除け弘法大師像は江戸時代に作られたものです。
境内はさほど広くはありませんが、北向不動明王や四国霊場の石仏など見どころが凝縮されて詰まっています。
ぜひ一度参拝にお出かけ下さい。
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