阿倍野区・正圓寺の御朱印や大阪五低山の一つの由来とは?通称、天下茶屋の聖天さん
大阪市内中心部に「山」が存在することをご存じでしたか。
「大阪五低山」と呼ばれていますが、正圓寺はそのうちの1つに鎮座するお寺です。
「天下茶屋の聖天さん」とも呼ばれていますが、いったいどんなお寺なのか気になりますよね。
この記事では正圓寺についてくわしくご紹介します。
名称の由来や御朱印などもお伝えします。
参拝の参考にどうぞ。
正圓寺の歴史
正圓寺(しょうえんじ)は東寺真言宗の寺院です。
山号は「海照山」です。
「天下茶屋の聖天さん」や「聖天山正圓寺」の名称で親しまれており、ご本尊は大聖歓喜双身天王です。
創建は939年頃と伝わっています。
創建当時は般若山阿部寺の一部でしたが、江戸時代に入ってから独立し、現在の場所に移転しました。
石段は江戸時代に作られたものが今なお残されています。
門前に掲げられている提灯には大根の絵柄が描かれていますが、これはご本尊である歓喜天の大好物とされている食べ物です。
境内には聖天神社や鳥居などがあり、神仏習合の名残を目にすることができます。
江戸時代には境内から大阪湾まで一望できたことから山号が「海照山」と名付けられたといいます。
正圓寺の見どころ
歴史ある正圓寺には見どころがたくさんあります。
参拝のポイントをご紹介します。
秘仏・大聖歓喜双身天王
正圓寺のご本尊である大聖歓喜双身天王は日本最大といわれる木造の仏像です。
大阪三聖天のひとつにも数えられています。
インドの神さま、ガネーシャと同一視される神さまでもあります。
「双身」とは男女の体が互いに抱き合い1つの体を構成する仏像という意味です。
男女が向かい合って抱き合う姿から、歓喜天は普段は人目につかないよう「秘仏」とされることが多いです。
正圓寺の歓喜天像も秘仏とされており、普段は目にすることはできません。
ただし「節分厄除祈祷会」の行われる2月1日~10日はご本尊の特別開帳があります。
それ以外にも企画展が行われる際などに特別開帳が行われる場合もあります。
大阪五低山
「聖天山正圓寺」と呼ばれることもある正圓寺ですが、「聖天山」とは山号ではなく正圓寺が鎮座する土地の名称になります。
標高はわずか14mほどですが、「山」とされており、その山頂が正圓寺の敷地内となっています。
かつては古墳でした。
大阪には他に有名な低い山として茶臼山、天保山、帝塚山、御勝山があり、聖天山とあわせて「大阪五低山」と呼ばれています。
兼好法師の藁打石
『徒然草』の作者として知られる吉田兼好がこの付近に住んでいたとされています。
そのため兼好法師を偲ぶ石碑が鎮座しています。
吉田兼好はこの地で南北朝時代の戦いで討ち死にした北畠顕家の菩提を弔い、藁を打って隠遁生活を営んだといわれています。
奥の院
正圓寺の境内には「奥の院」と呼ばれる、霊力で満たされた場所があります。
荼枳尼天をお祀りする鎮守社や浪切不動明王、弁才天祠などが鎮座しています。
また現在でも修行場として機能しており、霊感を授かるために多くの修行者が訪れています。
正圓寺の御朱印
正圓寺の御朱印は2種類あります。
「雞羅窟」(摂津国八十八ヶ所霊場札所第32番)の墨書きと、「釈迦如来」(おおさか十三仏霊場2番)の墨書きが入る御朱印の2種類です。
初穂料はそれぞれ300円です。
御朱印は寺務所で頂くことができます。
受付時間は9:00~17:00です。
正圓寺オリジナルデザインの御朱印帳は現在のところありません。
アクセス方法
正圓寺には参拝者専用の駐車場が約40台分あります。
公共交通機関を利用する場合、阪堺電気軌道阪堺線 「北天下茶屋」停留場で下車、徒歩で約3分です。
または「聖天坂」停留場で下車すると徒歩で約7分です。
もしくは南海電気鉄道本線・高野線「天下茶屋駅」下車で徒歩約10分です。
正圓寺の境内近くにある聖天山公園はホームレスのテント村となっており、あまり遅い時間に参拝するのはオススメしません。
まとめ
正圓寺についてくわしくご紹介しました。
わずか14mではあるものの、「山」に鎮座するお寺です。
「天下茶屋の聖天さん」と呼ばれ、日本でも最大規模の大きさを誇る歓喜天がご本尊ですが普段は秘仏とされています。
節分の季節や催し物が企画されている際に特別拝観が行われています。
参拝のタイミングにご注意下さい。
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