永観堂の「見返り阿弥陀」ってどんなもの?御朱印はある?
永観堂の名前は知らなくても、紅葉シーズンの京都を紹介する写真や映像で永観堂を見たことがある人は多いと思います。
京都の秋を代表する顔でもある永観堂ですが、「見返り阿弥陀」など文化財も見どころがたくさんあります。
この記事では永観堂の見返り阿弥陀や御朱印についてくわしくご紹介します。
参拝する前に予習して、永観堂の観賞をもっと深く楽しみましょう。
永観堂の歴史について
永観堂は通称で、正しくは「聖衆来迎山 無量寿院 禅林寺」(しょうじゅらいごうさん むりょうじゅいん ぜんりんじ)といい、浄土宗のお寺です。
ご本尊は阿弥陀如来です。
なぜ「永観堂」と呼ばれるようになったのかというと、禅林寺の永観律師が境内で恵まれない人を救うための施療院を設立するなど、人々を救うために様々な活動を行ったためです。
人々はこの永観律師を尊敬し、以降禅林寺を「永観堂」の名で呼ぶようになりました。
拝観料は個人で600円、ただし小学生から高校生までは350円です。
永観堂の「見返り阿弥陀」とは
ところで本堂に安置された阿弥陀如来像は別名「見返り阿弥陀」の名で知られています。
この由来も、永観律師が関わっています。
1082年のこと、阿弥陀如来像の周りを念仏を唱えながら巡っていた永観律師は自分の前に阿弥陀さまがいらっしゃることに気がつきます。
永観律師の前に立ち、修行を先導していたのですね。
阿弥陀さまに気がついた永観律師をふりかえり、一言「永観、遅し」と仰ったんだとか。
ご本尊はこのときの阿弥陀さまの姿を再現したものだと伝わっています。
そのために「見返り阿弥陀」と呼ばれているのですね。
確かによく見るとご本尊の阿弥陀如来は向かって右側に対して傾けふりかえっているようにも見えます。
何ともお茶目な魅力のある阿弥陀さまと永観律師のエピソードです。
紅葉の名所としても人気!
「紅葉の永観堂」と呼ばれるほど秋の紅葉シーズンの美しさに人気の集まっているお寺です。
古今和歌集にも紅葉の頃の永観堂の美しさが詠み上げられています。
その後も多くの和歌の題材として取り上げられています。
紅葉する木は境内に約3000本あるといわれており、様々な色合いの紅葉の表情を見せるさまは圧巻です。
見頃は11月中旬~12月中旬で、紅葉の時期に合わせて特別拝観や境内のライトアップが行われ夜も参拝できるようになります。
時期については紅葉次第なので毎年若干前後します。
永観堂の御朱印について
永観堂で頂ける御朱印は5種類あります。
「顧阿彌陀如来」「南無帰依法」「法然上人」の墨書きが入るもの、そして「御詠歌」が2種類です。
御詠歌は西山国師十六霊場第8番のものと法然上人二十五霊場縁故本山のものがあります。
初穂料はいずれも300円、諸堂入り口にあたる大玄関に設けられた納経所で頂けます。
9:00~16:00が受付時間の目安です。
御朱印を頂く際、書いたばかりの文字や朱印のインクが滲まないようにと紙をはさみこんで下さるところもありますが、永観堂ではこの紙に「見返り阿弥陀」の姿が入っています。
これは嬉しいですね。
永観堂オリジナルデザインの御朱印帳はベージュをベースに無数の紅葉が舞い散るイラストが入っています。
サイズは18cm×12cmで初穂料1000円です。
アクセス方法
永観堂には参拝者専用の駐車場が20台分ほどあります。
ただし寺宝展や紅葉で混雑する秋の期間中は利用できません。
車で参拝する場合は比較的近い位置にある岡崎公園の駐車場の利用がおすすめです。
しかし紅葉の季節はかなりの人出で、周辺のコインパーキングは軒並み満車状態になります。
バスですら満員のため乗れず、素通りされてしまうことも多いです。
公共交通機関を利用する場合、市バスだと「南禅寺永観堂道」下車で徒歩3分、「東天王町」下車だと徒歩8分です。
地下鉄東西線を利用すると「蹴上駅」から徒歩15分です。
多少歩きますが、紅葉の混雑期にはバスよりも地下鉄の方が便利です。
周辺には美味しいカフェやケーキ屋さんなど飲食店も充実していますので、散策も楽しめ歩くのは苦になりません。
まとめ
永観堂についてくわしくご紹介しました。
古来より人々を救うことに苦心してきたお寺で、「見返り阿弥陀」など思わず癒やされてしまう逸話が数多く残されています。
またもみじが美しいことでも知られ、毎年紅葉シーズンには多くの人出で賑わいます。
混雑に巻き込まれてでも価値のある景観が待っていますので、ぜひいちど参拝にお出かけください。
コメントはこちら