天神社(福島・下の天神)の2つの謎!何故「福島」で何故「下の」?
大阪市福島区に鎮座する天神社は「福島の下の天神」と呼ばれることが多い神社です。
いったいなぜでしょうか。
気になりますよね。
この記事では天神社の2つの謎、なぜ「福島」でなぜ「下の」なのかくわしくご紹介します。
天神社は学業成就と病気平癒のご利益があるパワースポット
天神社にお祀りするのは少彦名命(すくなひこなのみこと)で、菅原道真公も配祀されています。
いつ頃創建されたのか、くわしいことは分かっていません。
天神社の社殿によると、901年に菅原道真公が太宰府に左遷される際、海路で向かう前に道中の無事を祈願し天神社に参拝したとあります。
菅原道真公は「天神さま」として全国で信仰を集めており、天神社もそんな天神さま信仰のお社の1つです。
お祀りする少彦名命は古事記や日本書紀にも登場する神さまで、医薬品や穀物、お酒造りなど様々な知識を司る存在です。
そのため産業振興はもちろん、病気平癒のご利益を授けて下さる神さまとして知られています。
特に製薬会社や醸造メーカーからは守り神として厚く信仰されている神さまです。
また天神社の境内には摂社・豊光稲荷神社が鎮座しています。
「お稲荷さま」も日本各地で信仰されている神さまで、五穀豊穣や商売繁盛のご利益を授けて下さる存在です。
天神社はなぜ「下の天神」なのか
天神社は「下の天神」と呼ばれることが多いですが、これは福島区には3つの天神さまをお祀りする神社がかつてあったためです。
「福島三天神」と呼ばれ、それぞれ「上の天神」「中の天神」「下の天神」という通り名で呼ばれていました。
まず上の天神は福島天満宮を指します。
天満宮という名称通り、天神さまである菅原道真公や縁結びで有名な大国主命(おおくにぬしのみこと)・事代主神(ことしろぬしのかみ)をお祀りしています。
中の天神は現在の下福島公園横にありましたが、社殿は太平洋戦争時の戦火にのまれ現在は記念碑だけが残っています。
中の天神にお祀りしていた菅原道真公と少彦名命は福島天満宮に遷座し、合祀されています。
そして下の天神が天神社になります。
「福島」の由来は諸説ある
福島三天神ですが、地名の由来として考えられている説が二つあります。
どんな説があるのかご紹介します。
①菅原道真公命名説
太宰府への左遷途中、船に乗るためにこの地を訪れた菅原道真公を土地の人々が暖かくもてなします。
菅原道真公は当時、福島三天神が鎮座していた土地が「餓飢島」と呼ばれている事を知り「名称が良くない」として「福島」という言葉を感謝の気持ちに贈ります。
それ以降、「福島」という地名で呼ぶようになり、縁のある三神社を「福島三天神」と呼ぶようになったという説です。
②大阪天満宮由来説
日本三大祭りの1つ「天神祭」で有名なのが、やはり天神さまをお祀りする大阪天満宮です。
この天神祭では鉾流神事が執り行われます。
これは鉾流島から神鉾を流すという神事で、神鉾が流れ着いた場所が神さまの別荘である御旅所になります。
翌日に行われる神事・船渡御はこの御旅所から始まりました。
川の流れの関係で、福島三天神の場所に流れ着くことが多かったため、やがてお社を建て常に天神さまをお祀りするようになったという説です。
天神社の御朱印
天神社の御朱印は1種類です。
社名の墨書きが入ったシンプルなデザインになります。
初穂料は300円です。
天神社オリジナルデザインの御朱印帳は現在のところありません。
縁のある大阪天満宮には社名と天神さまのシンボルでもある紅梅があしらわれた御朱印帳がありますので、大阪の天神さまをいくつか回る予定がある場合はおすすめです。
アクセス方法
天神社には参拝者専用の駐車場がありません。
周辺に有料の駐車場がありますので、車で参拝した場合はこちらを利用しましょう。
公共交通機関を利用する場合、京阪中之島線だと「中之島駅」下車、徒歩で約3分です。
大阪市営地下鉄を利用した場合は千日前線「玉川駅」で下車し、徒歩で約7分です。
大阪市営バスを利用する場合は55系統 「堂島大橋北詰」バス停で下車し徒歩で約2分です。
まとめ
天神社についてご紹介しました。
「下の天神」と呼ばれていますが、これははつて福島区内に3つの天神さまをお祀りするお社があり「福島三天神」と呼ばれていたためです。
現在は戦争の影響で上の天神こと福島天満宮と下の天神と呼ばれる天神社のみが残されています。
福島という地名そのものにも菅原道真公が関わっているという説があるほど縁の深い神社です。
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