浦添市・伊祖城はパワースポット~琉球史に名を残す人物の誕生の地!?
浦添市は沖縄の南部エリアにあたり、那覇市と宜野湾市にはさまれているため観光のためによく通るものの行ったことはない、という人も多いのでないでしょうか。
しかし実は浦添市には琉球史の伝説的存在に関連する史跡がある町でもあるのです。
この記事では、伝説に彩られたグスク・伊祖城についてくわしくご紹介します。
行き方も案内しますので、お出かけの参考にどうぞ。
伊祖城は海を見渡せるグスク
伊祖城(いそぐすく)は13世紀頃に築城されたと考えられている城です。
県指定の史跡に登録されています。
英祖王統の居城と伝わる城で、城内の発掘調査では多くの中国伝来と思われる白磁や青磁が見つかっています。
中国伝来の品々は豊かな生活を送っていた証でもあり、有力な豪族が住んでいたことが分かります。
残念ながら伊祖城は戦争によって破壊され、現在残っているのは城郭の一部になります。
伊祖城からは慶良間諸島・東シナ海を見渡すことができ、過去の栄光の姿を偲ぶことができます。
英祖王とはどんな人物?
英祖王は1226年に生まれ、1260年の即位後1299年頃まで王位に就いていたと『中山世鑑』や『中山世譜』に記されている琉球国王です。
琉球王国の前に沖縄に王国を築いていたとされる伝説の世代・天孫氏の末裔とされています。
その後、英祖王の血筋からは5代の王が誕生し、90年間にわたって沖縄を支配しました。
英祖王の母親は、彼を身ごもっていたときに太陽を飲み込む夢を見たといいます。
そのため「太陽の子」(てぃだこ)の異名をもちます。
沖縄では太陽を神として信仰する風習がありますので、王統の正当性を主張するエピソードといえます。
父親は浦添の按司であり、伊祖城が鎮座する一帯を支配する有力士族でした。
英祖王統の後には中山の前身となる察度王統・第一尚氏王統へと続き琉球王国が誕生することになります。
とはいえ察度王統以前の沖縄の歴史についてはまだまだ研究の途中であり、伝説で語られている部分が多くあいまいです。
伊祖城は英祖王の実在を示す数少ない遺構のひとつとして歴史的価値の高いグスクになります。
伊祖城の近くには、英祖王の墓といわれている「浦添ようどれ」が鎮座していますので、あわせて参拝しておきたい場所です。
伊祖城へのアクセス方法
伊祖城の場所ですが、浦添市伊祖3丁目58です。
伊祖城は浦添大公園内に鎮座しており、駐車場は公園のものを使用可能です。
最寄りのインターチェンジは「西原IC」で、インターチェンジを降りてから車で約15分です。
道路案内標識が出ていますので分かりやすいです。
公共交通機関を利用する場合、路線バスだと99番線「浦添総合病院西口」バス停下車、徒歩で約10分です。
浦添大公園にも注目
浦添大公園内にある伊祖城跡ですが、同じ公園内には「浦添ようどれ」、「伊波普猷の墓」また浦添グスクの資料館など浦添市の歴史を知ることができる史跡や資料館が密集しています。
歴史に興味がある方は、ぜひ伊祖城跡だけではなくこれらの歴史資料館にも足を運んでみて下さい。
また「公園」と名がついているだけあって、ロングスライダーなどの遊具も充実しています。
子供連れで遊びに出かけるにはぴったりの場所です。
公園内には多くのあずまやがあるため、暑さの厳しい沖縄で休憩しながら遊ぶにはぴったりのつくりになっています。
さらに豊かな自然に包まれており、公園内を流れる川ではホタルも現れます。
薄暗くなり始めた頃にはホタルの乱舞を、そして日が落ちた後は浦添市内の夜景を楽しむことができるので一日中遊べる場所です。
ただし駐車場の営業時間は9:00~21:00ですので注意が必要です。
また自然豊かな反面、ハブが出没する可能性もありますので木々の多い場所や夜の散策には十分注意して下さい。
まとめ
伊祖城についてご紹介しました。
琉球王国以前の伝説に語られる王・英祖王が誕生し治めたと伝わるグスクです。
周辺には英祖王の墓もあります。
琉球の歴史をよりくわしく知りたい方はぜひ一度お出かけ下さい。
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