沖縄の神様の名前とは?御嶽やグスクとの関連は?
沖縄には独特の信仰が根付いており、その独特な宗教観に登場する沖縄ならではの神さまも存在します。
この記事では沖縄の神様について、その名前やどのような存在なのかくわしくご紹介します。
神さまの名前を知っておくと、参拝するときに祈りやすくなりますよ。
沖縄の神さま
沖縄で信仰されている神さまは、大きく分けて来訪神と守護神がいらっしゃいます。
来訪神はその名の通り、人間の世界と隣り合わせに存在する神々の国・ニライカナイからやってきます。
守護神はいつも人間の傍にいて、日々の行いを見守ってくれる存在です。
来訪神は東からやってくると考えられていますが、多数の島々から構成される沖縄では歴史的な意味をもっている信仰体系といえます。
そして東といえば太陽が昇る方角です。
そのため沖縄では神様に祈りを捧げるのは午前中の朝日に向かうことが多いです。
守護神は日本本土の八百万の神様のように自然や日常生活の様々なものに宿っています。
自分たちの直接のご先祖様も死後は神様になると考え、普段から祖先に祈りを捧げる風習があります。
これだけは知っておきたい、沖縄の神さまの名前
沖縄には多神教の信仰が息づいており、数多くの神様のお名前があります。
中でも特に有名な神様のお名前をご紹介します。
アマミキヨ(アマミク、アマミチュー)
琉球の島々を生みだし、人々を生み出した始祖と考えられている女神です。
沖縄各地にアマミキヨが訪れたとされる場所が残されています。
東御廻りなど、その足跡を辿る巡礼が現在でも行われています。
シネリキヨ(シルミチュー)
アマミキヨと共に琉球に降り立ち、沖縄の繁栄を生み出した創世の男神です。
全ての沖縄に住む人々はこのシネリキヨとアマミキヨから生まれたと考えられています。
火の神(ヒヌカン)
屋敷の守り神であり、ひいては一族の守護神とも呼べる存在です。
本来は台所にあるかまどの火を司る神様でした。
かまどの火を守ることは、災厄から家族を守り、家族の命をつなぐ食べ物を用意することと同意義でした。
火の神をお祀りするのは女性の役割で、毎日火の神さまに家族の様子を報告したり祈りを捧げました。
火の神はこういった話をさらに別の神様に教えるという役目があるため、火の神さまの前で悪口を言うのはタブーとされています。
東方大主(あがりかたうふぬし)
神々の住まう世界であるニライカナイの最高神と考えられている神様です。
「東」はニライカナイが存在するとされる方角で、沖縄の信仰では特別な意味をもちます。
ニライカナイで最高の神様ですので、その名称に「東」の文字が入っているのでしょう。
キミテズリ
琉球王国の国王の権威を守護する守護神です。
王の治世に一度だけ姿を現して、即位を祝福し権威を保証してくれます。
そのため琉球国王が就任すると君手擦り(きみてずり) という行事が行われ、キミテズリによる承認を得て王位に就きます。
君真物(きみまむん)
海の底に住んでいると考えられている神様です。
聞声大君はこの神様が憑依する 依り代だと考えられています。
琉球王国の安泰と人民の加護を担う守護神です。
アカマタ・クロマタ
謎の多い来訪神で、沖縄でも、西表島・小浜島・石垣島宮良・新城島と限られた地域でのみ信仰されています。
その姿は見てはいけないものとされており、年に数回これらの神が姿を見せるお祭りがありますが、地域住民以外が目にすることや録音・録画は固く禁じられています。
先祖の霊
沖縄では先祖が子孫の守護神として存在していると広く信仰されています。
名前こそありませんが、日常を見守る神さまが複数存在し、なかでもとりわけ親密さを感じられる神さまといえるでしょう。
御嶽やグスクは沖縄の神さまにつながる場所
御嶽は来訪神に祈りを捧げ、また来訪神が降臨するための聖地です。
またグスクには必ず拝所と呼ばれる神さまに祈りを捧げるための場所がおかれています。
高台にそびえるグスクには、神の島・久高島の遙拝所があり、遠く離れた場所からでもニライカナイに向かって参拝できるようなつくりになっています。
沖縄各地にはアマミキヨが住んだ住居跡、初めて本島に上陸した地点などがあり、いずれも御嶽やグスクに制定されています。
まとめ
沖縄の神様についてご紹介しました。
沖縄には複数の神様がいます。
そして神様に祈りを捧げる聖地として無数の御嶽やグスクもあります。
沖縄の神様に参拝するときはしっかりそのお名前を呼び、自分の氏名・生年月日・干支を告げるようにすると祈りが届きやすくなるといわれています。
相手を知り、自分を知ってもらうことが重要です。
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