琉球に伝わる「おまじない」は魔法の言葉!?
沖縄には独特の風習や信仰があります。
この記事ではそんな琉球王国時代から伝わるといわれている「おまじない」の風習についてご紹介します。
どんなおまじないがあってどんなときに使われるのか、おまじないの意味について知っておくとより深く沖縄の文化について理解できるようになりますよ。
ぜひ参考にご覧下さい。
沖縄のおまじないは人を幸福にするためのもの
琉球に伝わるおまじないは方言が基本ですので、本土に住んでいる人にはすでに「呪文」のように感じますが、その仕組みはとってもシンプルです。
基本的には悪いことがおきたとき、悪いことが起きそうなときに口にすることで災いを回避するために使用されます。
自分自身に対しておまじないをかけることもありますが、小さな子供など自分ではなかなか災いをはね除けられない人間に対して目上の人間が行うことも多いです。
そのため沖縄在住の知人におまじないについて尋ねると、「子供の頃、近所のおばあによくおまじないをしてもらった」「親戚のひとが帰りがけによくやってくれた」と幼少期を思い出しながら嬉しそうに語ってくれる人が多いです。
おまじないに込められた、相手の気持ちを感じとれる優しい風習といえます。
具体的にはどのようなおまじないがあるのか、くわしくご紹介していきます。
クスケー
くしゃみをしてしまったら唱えるおまじないです。
意味は「くそくらえ」です。
くしゃみをすると一瞬ビックリしてしまい、魂を落としそうになる状態になります。
しかし「クスケー」と唱えることで魔物が落とした魂をもっていかないように威嚇する効果があるんだとか。
チョーチカ
地震を感じたときに口にするおまじないです。
揺れを感じた後に「チョーチカ、チョーチカ」とくりかえすことで地震によって起きる災害から身を守るんだとか。
この「チョーチカ」とは浦添市の「経塚」を指すと考えられています。
しかしなぜ「経塚」の名を口にするようになったのかというと、現在のところ2つの説があります。
まず一つ目が、酒を飲み過ぎて仕事をさぼって眠っていた人が眠っている間に起きた地震について尋ねられとっさに「おれのところは地震がなかったから分からない。」とごまかしてしまいます。
どこに居たんだと聞かれ、「経塚」と答えたため、それ以来「チョーチカ=経塚」と答えるようになったという説です。
もう一つは、妖怪を封じたという経塚の力にすがり地震の難から逃れようとしたことが始まりとする説です。
マブヤー
マブイ(魂)を落としそうになったとき、つまり「びっくりしてしまって魂が体から離れやすくなったとき」に使用するおまじないです。
丁寧に言うと「マブヤーマブヤー ウーティクーヨー」となり、かなり長くなります。
これは「魂、もどっておいで」という意味の言葉になります。
沖縄では魂を重要視し、一瞬でも体から魂が離れてしまうとよくないことが起きると信じられています。
そのため早く魂を体に戻す必要があると考え、「マブイグミ」つまり「魂を戻す」という作業を行います。
そのための言葉が「マブヤー」なんですね。
子供だけではなく大人も使用するおまじないで、驚くような体験をした際にとっさに「マブヤー」と口にすることが多いです。
アンマークートー ターガン ンーダン
子供、とくに幼児が夜外出する際に、魔物に命を狙われないようにあらかじめ唱えておくおまじないです。
額に唾をちょんとつけながら、あるいは額に唾を付けた指で三回円を描きながら唱えるなど、地方によってちょっとした動作に違いがあるようです。
大体の意味としては「お母さんだけを見るんだよ、他の悪いものは見ないよ」という悪霊除けとなっています。
母親が子供に対して行うだけではなく、地域の女性が小さな子供に対して行うおまじないでした。
地域全体で子供を大切に育てる沖縄ならではのおまじないと言えます。
まとめ
琉球に伝わるおまじないについてご紹介しました。
悪いことが起きたとき、あるいは起きそうなときに大切な人の身を守るために使用されるおまじないがたくさんあります。
いずれも子供の頃の優しい記憶として多くの人が覚えているようです。
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