ソイツギの御嶽は現在も祭祀の場所!今帰仁城跡のパワースポット
今帰仁城跡には沖縄に点在する他の城と同じように、祈りを捧げ祭祀を執り行うための聖地があります。
琉球王国では祈りの文化が王国を支える屋台骨であり、その風習は現在も脈々と受け継がれています。
この記事ではそんなパワースポットの1つ、ソイツギの御嶽についてくわしくご紹介します。
参拝の参考にどうぞ。
ソイツギの御嶽は五穀豊穣を祈願する聖地
今帰仁城跡の大庭は祭祀に利用されていた場所です。
その一角、北側にソイツギの御嶽は鎮座しています。
神名は「ソイツギノイシズ御イベ」です。
ソイツギの御嶽は「城内下之嶽」とも呼ばれており、今帰仁城跡の御内原に鎮座する「城内上之嶽」と併せて2ヶ所の御嶽が今帰仁城跡には存在しています。
「城内上之嶽」は男子禁制の聖地とされていましたが、ソイツギの御嶽は男女どちらも祈りを捧げることができたようです。
今帰仁城は琉球神話において、琉球という島々やその民、農耕文化をも創造したアマミキヨと呼ばれた神が作り出した城ともいわれています。
その城に鎮座する御嶽はグスクの守護神を祀るとともに、数多くの神々に祈りを捧げるための聖地もでもあります。
特にソイツギの御嶽では五穀豊穣の祈願が捧げられていました。
ところでなぜ「ソイツギ」と呼ぶのかについてですが、最初に成立した御嶽が「城内上之嶽」であり、御嶽に「添い」(ソイ)「継ぎ」(ツギ)役割のある御嶽として成立したためと考えられています。
今帰仁城跡を訪れた際には両方とも参拝しておきたいところです。
ソイツギの御嶽で行われる祭祀
五穀豊穣を祈る場所でもあるソイツギの御嶽では、毎年旧盆明けの時期に今帰仁ノロを中心に「海神祭」(うんじゃみ)の儀式が執り行われています。
3日間かけて行われる祭祀で、ソイツギの御嶽をはじめ今帰仁城跡に今なお残る火の神の祠やカラウカーなどの聖地を巡り五穀豊穣はもちろん無病息災や家内安全を祈願します。
また城の内部だけではなく、今帰仁ノロ殿内から近い小高い丘の上からも今帰仁城跡を拝みます。
今帰仁地区だけではなく旧親泊を含む今泊区内で執り行われる祭祀でしたが、現在では祭祀の全容を知る神職者の高齢化などにより儀式が簡略化されており、近い将来には執り行われなくなるおそれがあります。
またノロが執り行う祭祀の他にも、同族が先祖にゆかりのある地を巡る「今帰仁上り」と呼ばれる巡礼も行われています。
ソイツギの御嶽をはじめ今帰仁城跡には数々の拝所があり、定期的に人々が祈りを捧げに訪れています。
ソイツギの御嶽への行き方
今帰仁城跡内にある大庭にソイツギの御嶽はあります。
今帰仁城跡までは那覇空港からは約110㎞、那覇市内からは約85㎞あります。
那覇空港から車で移動すると約2時間45分ほどかかります。
無料の駐車場はありますが、今帰仁城跡内に足を踏み入れるためには入場料を支払う必要があります。
入場料は大人400円、小学生~高校生が300円です。
今帰仁城跡内には2つの御嶽や近くのハンダ道沿いに多くの拝所があり、やんばる地域の歴史や信仰について知るためには絶好のスポットとなっています。
ソイツギの御嶽への参拝だけではなく、周辺への散策も考慮しておでかけの予定を立てた方が良いでしょう。
高低差はあまりありませんが、石や木が積み上がり森も広がっているため歩きやすい靴で出かけた方が安全です。
公共交通機関を利用する場合、路線バス「今帰仁城趾入口」バス停で下車して約1㎞、徒歩で約15分です。
まとめ
ソイツギの御嶽についてご紹介しました。
五穀豊穣を祈願する祈りの場であり、現在でも祭祀が執り行われている神聖な場所です。
今帰仁城跡内にはあと1ヶ所、御嶽がありますので、両方一緒に参拝しておきましょう。
また周辺にはノロに関連する遺構など様々なパワースポットが点在していますので、併せてこちらも参拝しておくとより沖縄の歴史と信仰の文化について理解を深めることができます。
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