救急車を呼べば3万円!?有料化のメリット・デメリットをみると納得。「そりゃ一部有料化は必要だろ」
救急車の有料化を財務省が検討しているというニュースが先日リリースされました。
諸外国からすると、日本では今まで無料で救急車を呼べたこと自体が「日本は社会保障がしっかりしていて素晴らしい国だ」と言えるのかもしれません。ですが、日本人にとっては今まで無料だったものが有料化するというのはインパクトが大きいですよね。
というわけで、私を含めて多くの日本国民が救急車の有料化について興味があると思います。TRAVELERSとしては、情報世界を旅する人々の羅針盤として、様々な情報を整理して分かりやすくお伝えするコンセプトで始まりました。
今回は、救急車の有料化が実際にされることによって生じるメリット・デメリットについてお伝えさせていただきます。
救急車の有料化を検討されたきっかけについてまずはご説明します。2014年の消防白書によると、2013年に消防車が出動した件数は590万9,367件でした。2003年と比較すると、出動件数はなんと20%以上も増加していたのですが、救急隊員数の増加率は約7%でした。
簡単に申し上げると、人手不足の状況となっており、救急車を呼んでから到着するまでの平均時間は以前は5分程度だったのが、今では8分以上もかかるようになっているのです。
高齢化社会になった影響かと一瞬思いましたが違いました。実は、救急車の出動件数のうちの約半数は救急車を呼ぶような事態になっていない軽症の方だったのです。
テレビのワイドショーでもやっていましたが、「病院で長い時間待たされたくないから救急車を呼んだ」という方や、「タクシー代金がないから救急車を呼んだ」という方もいらっしゃるようで、救急車を本来必要としている重症患者の方ばかりではなかったのです。
人手不足となっているのにも関わらず、本来救急車が必要ではない人が救急車を呼ぶといった状況がありました。このような状況があるのですが、救急車の有料化が検討されている直接の理由は、財政再建と言われています。
救急車が無料で呼べる国は
海外では救急車が有料だという情報は多くありますので、今回はあえて海外でも救急車が無料で呼べる国についてご紹介したいと思います。
共産主義国は無料の国が多いです。例えば、北朝鮮・キューバ・ロシアです。共産主義国の1つである中国ですが、救急車は有料です。以前イギリス領であった香港は無料で呼べます。
社会保障が厚くて有名なスウェーデンでも救急車は有料です。それだけ救急車を呼ぶためにはお金を払わなければいけない国は多い中、日本は無料であったことは非常に珍しいことではないでしょうか。海外では3~5万円程度は普通に費用としてかかるようですので、一概に海外と比較は出来ませんが、日本も一部有料化となればそのくらいの金額が必要になるかもしれません。
メリット・デメリット
前置きが長くなりましたが、救急車を有料化することのメリット・デメリットについてご説明します。
◯メリット
まずメリットは以下です。
1.有料化となることで軽症で救急車を呼ぶ方が激減し、人手不足が解消される。
2.人手不足解消に伴い、救急車を呼んでから到着するまでの時間が短くなり、重症患者が助かる可能性が高まる。
3.人手不足が解消されるとや有料化による税収の増加により、毎年2兆円もの予算を投じている消防関連費用の削減にもなり日本政府の財政負担が軽減される。
◯デメリット
1.お金のない重症一歩手前の患者が救急車を呼べないという事態になり、今まで救われていた命が救われなくなってしまう可能性がある。
2.有料化にすることで、お金を持っている軽症の患者が「金を盾に」救急車を呼ぶ可能性があること。
3.重症なのにも関わらず、自分自身や周りが勝手に重症患者ではないと判断して救急車を呼ばない可能性があること。
以上が救急車が有料化されるメリット・デメリットだと考えます。
ちなみに、Yahooの「救急車の有料化に関する」アンケート調査によると、「重症患者以外は有料化(患者の状態に応じて払い戻しを医師が判断)」という意見が6割、「症状に関係なく有料化」が2割を占めているようです。
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