カラウカーは今帰仁村の拝所~立地からも考える意義について
今帰仁村には世界遺産の1つでもある今帰仁城跡があります。
今帰仁城跡は要塞として使用されただけではなく、祭祀の場として祈りの文化を現在に伝える遺跡でもあります。
様々な機能がありましたが、この記事では特にカラウカーについてご紹介します。
歴史や地理から見るその意義について解説しますので、沖縄の特質を知るための参考にどうぞご覧下さい。
カラウカーとは今帰仁上りの拝所
今帰仁城跡の大庭(うーみゃー)に南側には拝所があり、「カラウカー」と呼ばれています。
カラウカーからは聖地クバの御嶽を拝むことができます。
カラウカーの前で多くの人々が祈りを捧げる姿を見かけたことがある人もいるかもしれませんが、これは「今帰仁上り」と呼ばれる伝統行事に立ち寄った人々の可能性があります。
カラウカーは今帰仁上りの拝所のひとつです。
同じような巡礼地巡りに「東御廻り」がありますが、今帰仁上りは同じ一族出身の人々が祖先に関連する拝所を一族と共に巡礼で訪れます。
観光客にとっては歴史を感じる遺跡であっても、祈りを捧げる人たちにとっては自分たちのルーツにつながる思い出の場所になるのです。
祈りを捧げている人たちに出会ったら邪魔にならないように参拝するようにしましょう。
カラウカーは水に関わる祭祀の場
現在は石と木が連なる場所にしか見えないカラウカーですが、琉球王国時代には常に水が湛えられ、女官が髪を洗ったと伝えられています。
現在は水の姿がほとんど見えないため、どのようにして水を湛えていたのかについては謎に包まれています。
一説によると、拝所にある岩は水を溜められるように窪みがあり雨水を使用できるようになっていたといわれています。
また「カラウカー」の「カー」とは湧水地を示す言葉であるため、現在は枯れたものの泉が城内に存在したとする説もあります。
いずれにしてもカラウカーは山の上であるにもかかわらず、「水」にまつわる祈りの場として古来から祈りが捧げられてきた聖地といえます。
人々が生活する上で必要不可欠な水が山の上でも手に入ることから、特に神聖視されたのかもしれません。
王国時代には、溜まった水の量で吉凶を占うための場であったとも考えられています。
現在でも今泊集落の海神祭(うんじゃみ)が執り行われるなど、地域の人々の祈りが捧げられています。
カラウカーへの行き方
カラウカーは今帰仁城跡の大庭に鎮座する拝所です。
今帰仁城跡には那覇空港から車で約100分ほどかかります。
那覇市内からだと約85㎞ほど離れています。
無料駐車場があり、周辺には道路案内標識も出ています。
公共交通機関を利用する場合、路線バスに乗車し「今帰仁城趾入口」バス停で下車、徒歩で約15分ほどで到着します。
まとめ
今帰仁城跡に鎮座するカラウカーについてご紹介しました。
カラウカーは水にまつわる祭祀の場であり、現在でも多くの人が祈りを捧げるパワースポットでもあります。
同じ城内には火にまつわる神さまが宿るとされる火の神の祠も鎮座しています。
今帰仁城跡を訪れた際は、ぜひどちらも参拝して下さい。
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